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前頭側頭型認知症の予防について

脳血管性認知症

 

「前頭側頭(ぜんとうそくとう)型認知症」という病名は、あまり知られていない認知症ではないでしょうか?

 

ある調査によると、認知症の受診患者の約70%がアルツハイマー型認知症なのに対して、前頭側頭型認知症は約9.75%でした。

 

前頭側頭型認知症が知られていない理由の1つは、患者数が少ないことでしょう。

 

前頭側頭型認知症は、難病にも指定されている認知症ですが、はたして、予防はできるのでしょうか?

 

今回は、前頭側頭型認知症の予防についてお伝えします。

前頭側頭型認知症は予防できるのか?

前頭側頭型認知症は、「タウ」「TDP-43」「FUS」といったタンパク質が、脳細胞に蓄積することが原因とされています。

 

アルツハイマー型認知症では、脳の「海馬(かいば)」という部位が障害されます。

 

前頭側頭型認知症では、脳の「前頭葉」や「側頭葉」という部位の障害が強く出ます。

 

なぜ、「タウ」などの異常なタンパク質が前頭葉や側頭葉の脳細胞に溜まってしまうかは、分かっていません。

 

そのため、残念ながら、今はまだ前頭側頭型認知症を予防することは出来ません。

 

前頭側頭型認知症は、65歳未満の若年で発症することが多い傾向があります。

 

アルツハイマー型認知症よりも、進行が早いことも前頭側頭型認知症の特徴でしょう。

前頭側頭型認知症が疑われたらどうする?

アルツハイマー型認知症は、記憶をつかさどる「海馬(かいば)」が早期から障害されるために、「物忘れ」から気付かれやすい認知症です。

 

前頭側頭型認知症では、物忘れが目立たないケースも多く見られます。

 

前頭側頭型認知症の特徴的な症状は、「自己中心的行動」「反社会的行動」が目立つことでしょう。

 

「意欲の低下」「引きこもる」「同じ日課を繰り返す」などの行動も見られます。

 

今まで問題なく社会生活をしていた人が、突然万引きをするなどの行動から、前頭側頭型認知症の発症が疑われる場合があります。

 

人が変わったようにキレやすくなった、などの場合も前頭側頭型認知症を疑う症状です。

 

前頭側頭型認知症の反社会的行為は、注意すれば改善されるというものではありません。

 

前頭側頭型認知症の人は、「自分が悪いことをした」という認識が出来なくなっています。

 

そのため、早期に受診し「認知症である」という診断を受けないと、刑罰を受けるなどで個人の尊厳が損なわれる可能性が大きくなります。

 

前頭側頭型認知症は、あまり知られていない認知症です。

 

早期に発見し適切な医療・介護を受けることは、認知症を患った本人・家族が穏やかに生活する上でとても大切です。

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