前頭側頭型認知症の禁忌について
前頭側頭型認知症の「禁忌」についてご存知の方はいらっしゃいますか?
前頭側頭型認知症は、物忘れが目立たないために発見が遅れがちな認知症です。
実は、前頭側頭型認知症について知らない医師もまだ多く、禁忌の薬を処方をされる場合もあります。
家族や介護者は、前頭側頭型認知症の禁忌を知り介護する必要があります。
今回は、前頭側頭型認知症の禁忌についてお伝えします。
前頭側頭型認知症の禁忌の理由
前頭側頭型認知症の禁忌や、それに対する理由についてお伝えしましょう。
前頭側頭型認知症には、「考え不精」という症状があります。
何かを質問しても「知らない」「わからない」と即答する症状です。
「考え不精」は、知っているけど考えて答えるのが面倒、または考えて答えることに興味が無いということです。
これは、脳の前頭葉が萎縮(いしゅく)して、理性のコントロールや物事の判断力が低下しているためです。
「考え不精」の症状を「物忘れ」ととらえて、アルツハイマー型認知症の治療薬「ドネペジル」が処方されるケースがあります。
ところが、前頭側頭型認知症に「ドネペジル」は禁忌という意見の医師もいます。
それは、前頭側頭型認知症にドネペジルを投与すると、興奮性が高まり暴言や暴力が出やすくなるためです。
医師からドネペジルを処方されて興奮性が高まったと感じたら、禁忌の可能性があります。
その場合、家族の判断で早期に休薬して医師に相談しましょう。
前頭側頭型認知症の禁忌の具体的対策と注意点
前頭側頭型認知症の禁忌に対する具体的対策と、その注意点についてお伝えします。
前頭側頭型認知症に「ドネペジル」は禁忌ですが、同じコリンエステラーゼ阻害剤の仲間の「レミニール(ガランタミン)」や「イクセロンパッチ(リバスタッチ)」が有効の場合もあります。
それは、著しく自発性が低下してしまった場合です。
自発性の低下も、脳の前頭葉の萎縮するために起こる症状です。
薬以外に前頭側頭型認知症で禁忌となるのは、騒音や過剰な光です。
前頭側頭型認知症は、脳の側頭葉の萎縮により言葉の理解が難しくなったり、音の処理が障害されると考えられます。
大勢の人がいて騒がしいと、ストレスで暴言や暴力になる場合があります。
前頭側頭型認知症になった方を介護する時には、落ち着いた環境で過ごせるように工夫しましょう。
前頭側頭型認知症で認知症治療薬を使う場合は、禁忌の薬剤があることを家族が踏まえて少量から投与しましょう。
薬を飲み始めて前頭側頭型認知症の人の様子が悪化したと感じたら、早期に医師に相談しましょう。