前頭側頭型認知症は運転できる?
前頭側頭認知症になった方が運転できるのかどうかについては、高齢者ドライバーにとってはかなり気になる点でしょう。
認知症によると思われる、高齢者の車の事故が問題となっていますね。
64歳以下の若年で発症することが多い前頭側頭型認知症では、車の運転はどうしたらよいのでしょうか?
今回は、前頭側頭型認知症と車の運転についてお伝えします。
前頭側頭型認知症と車の運転の問題
前頭側頭型認知症の人が車の運転をするのは、大変危険性が高いと言わざるを得ません。
前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉が萎縮する病気です。
前頭葉と側頭葉は、社会のルール・善悪の判断・感情のコントロールをする働きがあります。
前頭側頭型認知症になると、思いついたことをすぐに行動に移してしまいます。
その行動が社会のルールに反するか、他人が迷惑かなどは考えることが出来ません。
前頭側頭型認知症の車の運転トラブル例
赤信号無視・・・(自分が進みたいという欲求のまま行動)
急発進、急ブレーキ・・・(他人に迷惑とか、危険性が高いなどの判断力低下)
ぶつけたり事故を起こしても他人事・・・(事故を起こしても悪いことと思わない)
車の運転を止めようとした妻をボンネットに載せたまま動き出した前頭側頭型認知症の夫・・・(妻がケガをするかもしれないと考えられない)
前頭側頭型認知症の車の運転の対策
前頭側頭型認知症が疑われたり診断されたら、絶対に車の運転は止めさせるべきです。
ところが、前頭側頭型認知症の本人には危険性が理解できません。
家族が止めても、怒りだしてしまうケースも多々あります。
前頭側頭型認知症の人に車の運転を止めてもらう対策
前頭側頭型認知症の診断書を医師に書いてもらい、警察署に相談しましょう。
前頭側頭型認知症でも、権威のある人の言うことには従う傾向にあります。
制服を着た警察官に付き添ってもらい、目の前で廃車手続きをするとよいかもしれません。
説明しただけで「後で」となると、また前頭側頭型認知症の人が車の運転をしてしまう可能性があります。
運転が達者と思っている前頭側頭型認知症の人に、「デイサービスの運転手の指導係」という名目でデイサービスにつなげたケースがありました。
認知症は誰にでも起こりうる「病気」です。
前頭側頭型認知症は、「病気のために」社会のルールや善悪の判断が出来なくなります。
それを念頭に置いて、前頭側頭型認知症の人の車には運転を止めてもらいましょう。
家族だけでなく、地域の人たちにも協力してもらいましょう。