前頭側頭型認知症はゴミ屋敷を作るって本当?
最近、時々ニュースになっているゴミ屋敷問題ですが、これが前頭側頭型認知症による場合もあるようです。
では、前頭側頭型認知症になると、なぜ自宅が「ゴミ屋敷」になってしまうのでしょうか?
ご家族の方にとっては、ちょっと聞き捨てならない内容かも知れませんね。
今回は、前頭側頭型認知症とゴミ屋敷についてお伝えします。
前頭側頭型認知症でゴミ屋敷になる原因
前頭側頭型認知症の方がゴミ屋敷を作りだしてしまう原因は何でしょうか?
それには、いくつかのポイントがあります。
前頭側頭型認知症には、モノにこだわるという症状があります。
散歩や外出の際に、頭に浮かんだモノを持ち帰るということを繰り返す場合があります。
洋服を思いつくままに買うが、自宅に持ち帰ると興味をなくしてまた買うというケース。
公園に落ちている木の枝などをくり返し持ち帰るケース。
不要なものは片付ける、という判断力が低下しているのでゴミ屋敷になりますね。
前頭側頭型認知症では、意欲の低下が起こります。
総菜やカップ麺などを食べた後に、容器を放置するケース。
ゴミを捨てようという意欲がないので、ゴミ屋敷になりますね。
自宅から不要と思えるものがはみ出したり、異臭による苦情が出ても、前頭側頭型認知症による社会性の欠如により改善しようと考えません。
前頭側頭型認知症のゴミ屋敷への対策は?
前頭側頭型認知症の方がゴミ屋敷にしてしまわないような対策には、どのようなことがあるのでしょうか?
高齢になると、誰しも以下のような不安を持つ場合があるでしょう。
- 「買い物に行けなくなったらどうしよう」
- 「食べ物が無くなったらどうしよう」
- 「お金が無くなったらどうしよう」
前頭側頭型認知症になると、その不安が顕著になったり、自分勝手な考えをそのまま行動にして、ゴミ屋敷に発展すると考えられます。
前頭側頭型認知症であっても、不安感は持っています。
そのため、ゴミ屋敷を強制的にキレイにしてもまた元のゴミ屋敷に戻ってしまうかもしれません。
ゴミ屋敷のモノを勝手に処分しようとすると、前頭側頭型認知症の人を怒らせる可能性もあります。
家族や親せきにゴミ屋敷の問題が起こったら、認知症専門医などの受診を促す必要があるかもしれません。
前頭側頭型認知症の人が、ゴミを溜め込んでいるなどの場合は、少しづつ片付けましょう。
意欲が無くてゴミを捨てない場合は、片付けても特に関心を示さない可能性があります。
しかし、こだわりでモノが増えている前頭側頭型認知症の場合は、自分のモノはゴミと思っていません。
モノが無くなることへの不安があるかもしれませんので、関心が薄れているモノや場所から少しづつ片付けるとよいでしょう。
前頭側頭型認知症によって、自宅がゴミ屋敷になってしまう場合があります。
前頭側頭型認知症の人の行動やこだわりを観察して、不安を和らげるように接しながら少しづつ片付けましょう。