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前頭側頭型認知症の滞続言語について

前頭側頭型認知症 滞続言語

 

前頭側頭型認知症には、「滞続(たいぞく)言語」という症状があります。

 

滞続言語は、言語障害の症状の1つですが、話せなくなるというワケではありません。

 

しかし、コミュニケーションの障害になりますので注意したいところです。

 

今回は、前頭側頭型認知症の滞続言語についてお伝えします。

前頭側頭型認知症の滞続言語の症状

では、前頭側頭型認知症の滞続言語の症状が起きる場合の例をご紹介しましょう。

 

前頭側頭型認知症の滞続言語の例

 

医師:どんなお仕事をしていましたか?
患者:若い頃は戦争で苦労したよ
医師:ところで、昨日の夕食は何を食べましたか?
患者:若い頃は戦争で苦労したよ

 

医師:お名前は?
患者:山田太郎です
医師:お仕事は?
患者:山田太郎です

 

家族:どうしたの?
患者:猫がキタキタキタタタ…

 

このように、前頭側頭型認知症の滞続言語は、同じ話や同じフレーズを繰り返してしまう言語障害です。

 

滞続言語は、少し前に聞いたことや見たものに影響されて誘発し、なかなか止まらないのが特徴です。

 

前頭側頭型認知症の滞続言語は、前頭葉の障害による判断力の低下と側頭葉の言語理解の障害が原因で起こると考えられます。

前頭側頭型認知症の滞続言語の対策は?

前頭側頭型認知症の滞続言語を、止めさせようとすることは困難です。

 

また、正しい言葉を使うように「それは○○でしょ?」などと訂正することも、おすすめしません。

 

前頭側頭型認知症の人が、興奮したり怒りの感情をぶつけてくる可能性があるからです。

 

ご本人は「自分は正しく話している」と思っているので、否定されると「拒否された」という感情になってしまいます。

 

前頭側頭型認知症の滞続言語が出ている時には、にこやかに聞き流しましょう。

 

前頭側頭型認知症は、自分の話したいことを聞いてもらえればそれで気が済む場合が多いようです。

 

ひと通り話を聞いてもらえれば、次に頭に浮かんだ行動をとるでしょう。

 

滞続言語のある前頭側頭型認知症の家族や介護者が、にこやかに穏やかに話を聞くことにも意味があります。

 

前頭側頭型認知症には、「目の前のことに影響されやすい」という症状があります。

 

滞続言語を否定せずに聞いていても、聞いている人の表情や態度が冷たかったり怒っているようだと、前頭側頭型認知症の人は「否定された」と感じて怒りだす可能性があります。

 

前頭側頭型認知症の滞続言語は、同じ言葉を繰り返したり意味のないフレーズが会話に入り込む言語障害の症状です。

 

言葉を直そうとしたり話をさえぎると、前頭側頭型認知症の人が怒り出す可能性があります。

 

家族や介護する人は、努力してにこやかに穏やかな表情や態度で、滞続言語のある前頭側頭型認知症の人の話を聞くようにしましょう。

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