前頭側頭型認知症の中核症状について

前頭側頭型認知症 中核症状

 

前頭側頭型認知症に限らず、どんな認知症にも「中核症状」「周辺症状」があります。

 

中核症状は、脳の機能低下によって直接的に出現する症状です。

 

つまり、認知症のメイン症状とも言えるものを現します。

 

では、前頭側頭型認知症の中核症状とは、どのようなものなのでしょうか?

 

今回は、前頭側頭型認知症の「中核症状」についてお伝えします。

前頭側頭型認知症の中核症状の具体例と原因

前頭側頭型認知症の「中核症状」を知っておくことは、前頭側頭型認知症を理解するうえで大切です。

 

中核症状とは、その部分の機能が障害されて出来なくなることにより起こる症状です。

 

前頭側頭型認知症で障害されるのは、脳の前頭葉と側頭葉です。

 

前頭葉の働きは、高度な人間らしい思考・物事の判断・感情表現をコントロールすることです。

 

側頭葉の働きは、言語の理解・聞こえたものの理解・味覚・記憶・感情の理解や共感にかかわります。

 

例えば、「食欲」は生きていくために必要な本能ですね。

 

でも、私たちは「食べたい」という欲求が出た時にすぐに食べているワケではありません。

 

仕事中なら昼休みまで待ちますし、店で食品を買ったらレジに並んで支払いを済ませてから食べますね。

 

それは、前頭葉と側頭葉で社会のルールを判断したり、「食べたい」という欲求をコントロールしているからです。

 

前頭側頭型認知症の中核症状は、社会生活のルールや物事の善悪の判断が障害されます。

 

そのため、前頭側頭型認知症では、仕事中でも食事をしようとする、店の品物をそのまま持ち出すなどの行動に現れます。

前頭側頭型認知症の中核症状への対策は?

前頭側頭型認知症の中核症状は、社会性の欠如、人と共感することや言語理解の障害です。

 

そのため、前頭側頭型認知症で「万引き」を繰り返す人に「万引きは犯罪だからやめなさい」と言っても、理解できません。

 

また、前頭側頭型認知症の人が万引きをしないように外出を止めれば、怒りの感情をコントロール出来なくて暴力につながるでしょう。

 

前頭側頭型認知症の中核症状は無くならないものなので、止めさせるよりは他の行動に上手く誘導するという対策が必要です。

 

例えば、前頭側頭型認知症の万引きは、同じ店で同じ品物を盗ることを繰り返します。

 

この場合、お店に前頭側頭型認知症の症状であることを説明して、同意が得られれば、事前に支払いをするなどの方法で「犯罪になること」を回避できる場合があります。

 

他には、デイサービスなどに通うことで、万引きする時間をなくすという誘導方法も有効でしょう。

 

前頭側頭型認知症の中核症状は、脳の機能低下によって起こる症状です。

 

中核症状によって起こる行動を、止めさせることは困難です。

 

前頭側頭型認知症の中核症状の対策は、困った行動につながらないように違う行動に誘導することが大切なのです。

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