前頭側頭型認知症の「こだわり」とは?
前頭側頭型認知症には、些細なことに「こだわり」が強くなるという症状があります。
ちょっとした「こだわり」程度なら良いのですが、そうは行きません。
前頭側頭型認知症のこだわりは、介護を難しくする要因です。
しかし、この症状は、上手く利用すると介護の助けにもなる症状です。
今回は、前頭側頭型認知症のこだわりについてお伝えします。
前頭側頭型認知症の「こだわり」という症状の具体例と原因
前頭側頭型認知症には、常識的でないこだわりの症状があります。
それにより、日常生活やコミュニケーションに支障が出ます。
前頭側頭型認知症のこだわりの症状
前頭側頭型認知症の周回・周遊的こだわりでは、天候の悪い日ややるべき用事があるのに散歩に出かけたりします。
親族の葬儀があるのに散歩に出掛けてしまう、意味もなく新聞の記事に赤鉛筆でラインをひくなどです。
散歩の途中で同じ喫茶店の同じ席に座るなども、前頭側頭型認知症のこだわりの症状です。
電車の時刻表のように、毎日同じスケジュールで行動しようとする症状です。
曜日ごとに、行く場所が決まっている場合もあります。
前頭側頭型認知症の食事のこだわりでは、甘いものや味の濃いものを多量に食べる症状が見られます。
饅頭ばかり何個も食べたり、砂糖を1㎏食べてしまったというケースもあります。
前頭側頭型認知症は、通常では考えられないこだわりを見せることが良くあるのです。
前頭側頭型認知症では、次のような言葉のこだわり(障害)が起こる場合があります。
医師:「名前は何ですか?」
患者:「山田太郎です」
医師:「今日は何月何日ですか?」
患者:「山田太郎です」
前頭側頭型認知症でこだわりの症状が出る原因は、前頭葉や側頭葉の働きが低下しているためと考えられます。
前頭側頭型認知症の「こだわり」の具体的対策や注意点
前頭側頭型認知症の「こだわり」を無理に止めようとすると、興奮したり暴言・暴力につながります。
周回・周遊的こだわりでは、途中で万引きをしたり無銭飲食などの、反社会行為を繰り返す場合もあります。
前頭側頭型認知症は、反社会行為をしても「悪い」という認識がありません。
前頭側頭型認知症で社会や生活に問題のあるこだわりを回避するためには、デイサービスなどを利用するとよいでしょう。
なぜデイサービスなどを利用するかを、前頭側頭型認知症の人にくどくどと説明する必要は無いでしょう。
視覚情報に反応しやすくなる傾向や物忘れが少ないことから、スケジュール表を目に付く場所に貼っておくなどもよいでしょう。
前頭側頭型認知症のこだわりは困った症状ですが、上手に介護に組み込むと、規則的な生活や食習慣につなげることができます。