脳血管性認知症と炭水化物
脳血管性認知症を予防するためには、炭水化物ばかりを多量に摂取する食生活は控えるべきです。
しかし、極端に炭水化物を制限することも、脳血管性認知症を発症するリスクを高めてしまいます。
脳血管性認知症を予防するためには、炭水化物をどのくらい摂ればよいのでしょうか?
今回は、脳血管性認知症と炭水化物についてお伝えします。
脳血管性認知症と炭水化物の関係性
脳血管性認知症と炭水化物の関係性については、生活習慣病の発症から考える必要があります。
まず、生活習慣病は、脳血管性認知症を発症するリスクを高くします。
生活習慣病を予防するためには、活動量に見合わない過剰な高カロリーの食事を控えるべきです。
食事の大部分を炭水化物が占め、タンパク質や極端に脂肪の少ない食事を続ければ、生活習慣病を発症しやすくなります。
ところが、炭水化物を必要以上に減らし、タンパク質を多量に摂る食事を続けると、逆に脳血管性認知症の発症リスクを高めてしまうのです。
2012年のイギリスの医師会雑誌に、炭水化物が少なくタンパク質が多いダイエットを行った人の追跡調査の結果が発表されました。
43,396人を15.7年間追跡調査したこのレポートでは、低炭水化物高タンパク質の食事を続けると、心臓・血管系の疾患を発症するリスクが高くなるとしています。
タンパク質を分解するためには、多くのエネルギーを消費します。
それなのに、エネルギーの元になる炭水化物を減らしてしまうと、多くタンパク質をとっても利用しきれずに体外に排出することになります。
それが、腎臓に負担をかけて心臓・血管系の疾患を発症しやすくなると考えられます。
血管系の疾患には、脳血管性認知症を発症する脳卒中も含まれます。
脳血管性認知症を防ぐための炭水化物の摂り方
脳血管性認知症にならないためには、炭水化物が多すぎても少なすぎてもダメ。
では、いったいどのくらい摂ればよいのでしょうか?
厚生労働省では、炭水化物に限らず、食事のバランスに注意するように提唱しています。
参照:食事バランンスガイド
脳血管性認知症や生活習慣病を予防する食事バランス
炭水化物(ご飯・パン・麺類)=5~7サービンング
野菜・キノコ類・海藻類=5~6サービンング
タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品など)=3~5サービンング
牛乳・乳製品=2サービンング
果物=2サービンング
*サービングとは、食事の提供量を単位としている
カロリーを多めにしたい場合は、炭水化物の主食7:野菜類6:タンパク質の主菜5の割合と考えるとよいでしょう。
ダイエットする場合は、炭水化物5:野菜類5:タンパク3の割合がおすすめです。
どちらの場合も、牛乳・乳製品と果物を1品ずつ加えるようにしましょう。
脳血管性認知症の発症を予防するためには、炭水化物を適度に摂る必要があります。
炭水化物とタンパク質や野菜類をバランスよく食べて、脳血管性認知症や生活習慣病を予防しましょう。