脳血管性認知症の危険因子について
脳血管性認知症の危険因子に、どのような病気があるのかをご存知でしょうか?
脳血管性認知症の危険因子となる病気には、高血圧、糖尿病、脂質異常症、痛風などがあります。
そして、実は、脳血管性認知症の危険因子は、アルツハイマー型認知症の危険因子でもあることが分かってきています。
今回は、そんな脳血管性認知症の危険因子についてお伝えします。
脳血管性認知症の危険因子について詳しく
脳血管性認知症の危険因子について少し詳しく見てみましょう。
脳には、多数の血管が網目のように張り巡らされています。
脳の重量は、体重の2%しかありません。
頭部には、1回の心臓で拍出される20~25%の血液が流れます。
血液によって頭部に送られた酸素や栄養の20%は、脳細胞が消費してしまいます。
脳細胞が活動するためには、これほどの酸素と栄養が必要です。
高血圧・糖尿病・脂質異常症・痛風は、脳の血管にダメージを与え脳の血流を悪くして、脳細胞を酸欠と栄養不足にします。
脳細胞の酸欠・栄養不足は、脳血管性認知症だけでなくアルツハイマー型認知症の危険因子でもあります。
「認知症疾患診療ガイドライン」によると、認知症の危険因子として次の項目が挙げられています。
認知症の危険因子
- 中年期の高血圧
- 糖尿病
- 中年期の肥満やメタボリックシンドローム
- 脂質異常症
- 喫煙
- 不活発な身体活動
- うつ病の既往
うつ病の既往については、脳血管性認知症と関連が無さそうに思えるかもしれません。
しかし、うつ状態では著しく身体活動が減少するので、それが脳血管性認知症の発症の危険因子とも考えられるでしょう。
脳血管性認知症の危険因子に対する対策について
脳血管性認知症の危険因子となる病気を減らすためには、次のような対策をするとよいでしょう。
脳血管性認知症の危険因子への対策
ご飯やパン・麺類などの、炭水化物ばかりの食事は脳血管性認知症の危険因子となります。
たんぱく質が少ない食事や極端な低脂肪食も、脳血管性認知症の危険因子です。
魚のたんぱく質と脂肪は、血管をしなやかに保ち血液をサラサラにする効果がありますので、積極的に摂取しましょう。
中年期以後の運動は、脳血管性認知症の危険因子を減らすために大切です。
激しい運動よりも、ウオーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。
中年期以後でのレジャーやレクリエーションは、脳血管性認知症の危険因子を減らす要因になります。
将棋や囲碁は知的活動を、スポーツは身体活動を、旅行やボランティア活動は社会的機能を活性化します。
脳血管性認知症の危険因子には、減らすことが出来るものがたくさんあります。
中年期以後には、食事・運動に注意しましょう。
仕事ばかりでなくレジャーやレクリエーションをすることも、脳血管性認知症の危険因子を減らす効果があります。