脳血管性認知症の作業療法について
脳血管性認知症の方に、作業療法という方法が行われることがあります。
作業療法とは、リハビリテーションの方法の1つです。
リハビリテーションは、脳血管性認知症の以外にも、多くの疾患や障害を持つ人に必要です。
では、脳血管性認知症の作業療法とは、いったいどの様なことが行われるのでしょう。
今回は、脳血管性認知症の作業療法についてお伝えします。
脳血管性認知症の作業療法とは何か
脳血管性認知症の作業療法とは何かということについて、詳しくご説明しましょう。
病院や施設で行われるリハビリテーションは、3つの種類に分けられます。
リハビリテーションの種類
(1)理学療法:理学療法士による訓練、身体機能の回復を目的とする
(2)作業療法:作業療法士による訓練、日常生活に必要は動きが出来ることを目的とする
(3)言語療法:言語聴覚士による訓練、言葉の発声・コミュニケーション方法や飲み込みの機能回復を目的とする
脳血管性認知症では、全てのリハビリテーションが必要になる場合もあります。
脳血管性認知症の作業療法について、詳しくみていきましょう。
脳血管性認知症の作業療法の内容
脳血管性認知症では、手や指が動きにくくなる場合があります。
特に利き手でこのようなマヒが起こると、日常生活に支障が出ます
作業療法では、マヒした手指の動きがスムーズになるような訓練を行います。
脳血管性認知症では、食事や着替えといった動作が出来なくなる場合があります。
食事・着替え・排泄などの動作が出来るように訓練することが、作業療法です。
マヒした手指に対しても訓練しますが、利き手交換といって、利き手ではないほうの手で食事をしたり字を書いたりする訓練も行います。
これらのことから、作業療法士を「手の先生」と呼ぶ患者さんもいます。
脳血管性認知症の作業療法の具体的方法と注意点
脳血管性認知症の作業療法の、具体的方法についてご説明しましょう。
脳血管性認知症では、手指のマヒやしびれによって箸やスプーンが持ちにくくなる場合があります。
食事動作訓練では、脳血管性認知症の人が出来るだけ自分で食事を食べられるように指導します。
作業療法士は、脳血管性認知症の人に合わせてスプーンなどの柄の部分を太くしたり、角度を工夫するなどの加工もしてくれます。
脳血管性認知症の作業療法では、マヒのない腕を使い、着替えたり風呂に入る方法を訓練します。
折り紙や塗り絵、体操などのレクリエーションも、脳血管性認知症の作業療法の1つです。
これらでは、体の機能の向上だけでなく、コミュニケーションを向上させる効果があります。
脳血管性認知症の作業療法の注意点
- 疲れすぎないようにする
- 脳血管性認知症の発症前から嫌いなことや苦手なことは、作業療法士に伝えておく
- 病院や施設だけでなく、作業療法士のアドバイスを受けて自宅でも行うと効果的
脳血管性認知症の作業療法は、日常生活動作の機能回復に効果的です。
続けていくことで効果が出るので、楽しく行えるように工夫しましょう。