認知症は糖尿病の合併症の1つ!?
糖尿病は痛みを感じないために、ジワジワと進行していつの間にか悪化するコワイ病気です。
糖尿病が進行すると、失明・腎臓病(人工透析が必要になる)・神経障害(足先のしびれや壊死)という合併症をおこします。
ところが、最近の海外の糖尿病研究では、認知症を「第4の合併症」としてもよいという考え方を示したものもあります。
こうなると、何としても糖尿病にならないように、悪化しないように努めなければいけませんね。
今回は、認知症と糖尿病の関係についてご説明します。
糖尿病は認知症を呼び、認知症は糖尿病を呼ぶとは
糖尿病は、糖を代謝するインスリンというホルモンが充分に働かずに、細胞内で糖を活用できない病気です。
脳細胞のエネルギーは「ブドウ糖」しかありません。
ですから、当然いつも脳は「栄養不足」という状態になります。
また、アルツハイマー型認知症の発生要因に「アミロイドβ蛋白」というものがありますが、糖尿病によりこのアミロイドβ蛋白が分解できにくくなることが分かってきました。
また、認知症の人は食事や薬の「自己管理」が難しくなりますので、それはつまり、糖尿病を悪化させる要因にもなるのです。
認知症と糖尿病の両方を患っていると介護施設に入れない?
糖尿病を患っている人が認知症になった場合、「介護施設」を選ぶ際に選択肢が狭まる可能性があります。
その理由についてご説明します。
まず、糖尿病が悪化すると、内服薬でのコントロールが難しくなります。
そのため、インスリン注射が必要になる場合がありますが、インスリンを注射できるのは本人・家族・医師・看護師だけなのです。
もちろん、本人が注射できれば問題ないのですが、認知症の場合それは難しくなります。
さらに、家族が毎日施設に行くのは無理ですし、医師や看護師がどの施設にも常駐しているワケではありません。
そうなると、受入可能な施設が限られるということになってしまいます。
糖尿病の発症は40代の中年からが多くなりますが、アルツハイマー型認知症の要因となる「アミロイドβ蛋白」の蓄積が始まるのも、40歳頃からとされています。
糖尿病になりやすい生活習慣を改めて、糖尿病と認知症の両方を予防しましょう。