認知症は高血圧によって起こる!?
高血圧による脳卒中のリスクは高く、長らく日本人の死亡原因の上位を占めていました。
救急医療の体制の整備、脳卒中の治療技術の発展、治療薬の開発、減塩の食生活の啓蒙などにより、脳卒中の死亡率は低下しています。
おかげさまで(?)日本は今や長寿社会。
今度は、「認知症と高血圧の関係」が注目されるようになりました。
今回は、認知症のリスクと高血圧の関係について説明します。
高血圧によって起こる認知症は1つじゃない!
高血圧によって起こる認知症といえば「脳血管性認知症」でしょう。
高血圧によって脳梗塞や脳出血が起こったことにより、手足のマヒだけでなく認知機能障害・記憶障害・失行・失語症など、脳の働きにも障害が起こります。
最近の研究や調査で、高血圧は「アルツハイマー型認知症」のリスクも高めることが分かって来ました。
安静時の血圧の正常値は、上(収縮期血圧)が140以下、下(拡張期血圧)が80以下です。
血圧コントロールの目安は、65歳未満の人で130/85mmHg以下、65歳以上の人で140/90mmHg以下が望ましいとされています。
認知症のリスクを高める高血圧を予防する食生活とは
高血圧の予防は、何と言っても第1に「減塩」です。
味噌汁を毎日飲む日本食は、高血圧の原因などと言われた時代もありましたが、今では反対ですね。
魚介類・野菜・海藻などをたくさん摂る日本食は、健康食として見直されています。
注意点は、味噌汁では「出汁」や少しの「酢」を使って塩分を抑えること、漬物は塩分が多いため控える事でしょう。
海藻・緑黄色野菜・果物を摂ると、カリウムを摂取できるのでナトリウムの排出につながります。
高血圧予防の第2は「ストレスの軽減」です。
腹式呼吸を心がけると血行・代謝が良くなり、副交感神経の働きを活発にして血圧の急上昇を防ぐことができます。
減塩食は美味しくないと思う人もいるかもしれませんが、工夫次第で美味しい「減塩食」ができます。
年を重ねると味覚が鈍くなり、いつの間にか塩分が多くなっていますので、塩分計などを使って測ってみることをおすすめします。