レビー小体型認知症を知っていますか?
レビー小体型認知症と呼ばれる認知症を知っていますか?
多くの方は、そこにいない動物や人が見えると言う、高齢者の話を聞いたことがあるかと思います。
ただし、それは決して「霊能力」が働くようになったわけではありません。
その人は、レビー小体型認知症を患っている可能性があります。
レビー小体型認知症という病気は、早期に発見すれば、進行を遅らせることもできます。
レビー小体型認知症の原因と症状について
レビー小体型認知症の原因は、脳全体にレビー小体という小さな固まりができることにより、脳の機能が低下していきます。
レビー小体型認知症の症状は、幻覚(特に幻視)と、パーキンソン病と同じような手の震え・歩行障害・転びやすくなるなど、身体の症状も現れることが特徴的です。
認知症の症状としては、物忘れよりも、注意力が散漫になったり、気分や態度の変化が大きかったりすることがあげられます。
MRI検査の画像では、はっきりとした脳の委縮が見られない場合も多いのですが、かなり進行してくると委縮が見られてきます。
SPECTやPETという検査では、脳の後頭部の血流低下がみられます。
ここは、視覚や空間の認識をつかさどる場所なので、幻覚や転びやすさという症状が現れるのです。
治療は、アルツハイマー型認知症と同じくアリセプトなどと、パーキンソン病の治療薬が有効です。
身体のバランスをとりにくく、転びやすくなったり、身体の動きが固くなったりするので、リハビリテーションを行う場合もあります。
レビー小体型認知症は、よくなったり悪くなったりを繰り返しながら、進行していく病気です。
症状の悪化に一喜一憂しないで、治療を続けましょう。
レビー小体型認知症の治療について
レビー小体型認知症のもう一つの特徴として、アセチルコリンと呼ばれる頭の中で情報を伝えている物質が少なくなることが挙げられます。
ちなみに、認知症の中で最も多いと言われる「アルツハイマー型認知症」よりも少なくなっていることが明らかになっています。
上記のようなことから、レビー小体型認知症には、アセチルコリンを活発化させる薬が、より効果的と言えるでしょう。
レビー小体型認知症の治療薬としては、 視覚認知障害や注意障害などの認知機能障害のための薬がよく使われます。
また、精神症状である「 幻視」や「妄想」に対する薬や、パーキンソン症状への薬が使われることも多いです。
一言で「レビー小体型認知症」と言っても症状は様々ですので、それに合わせて薬が使用されます。
ここで一つ注意していただきたいのが、薬の過敏性です。
レビー小体型認知症は、薬に過敏に反応することが知られていますから、薬の副作用が色々と現れます。
服薬量が適量なのにもかかわらず薬が効き過ぎてしまったり、逆に認知症の病状が悪化することもあります。
一般的な風邪薬や胃腸薬などで調子を崩してしまう患者さんもいますので、薬の取り扱いには十分注意しましょう。