アルツハイマー型認知症は自分にも起きる?
アルツハイマー型認知症は、誰にでも起きる病気なのでしょうか?
最近は、SNSの書き込みなどで、アルツハイマー型認知症について、こんな風な書き込み(ご相談?)が多いように感じます。
「最近、物忘れが激しいのですが、これはアルツハイマーでしょうか?」
医療従事者からみると、それは違うと思うことも多いのですが、そのくらい「物忘れ=アルツハイマー」と定着しているということでしょう。
ここでは、そんなアルツハイマー型認知症についてご説明します。
アルツハイマー型認知症の原因と特徴
アルツハイマー型認知症の原因は、脳の細胞にβアミロイドという物質が蓄積して、細胞が変性するために起こります。
アルツハイマー型認知症は、早い場合では40歳頃から起こりますが、その進行はゆっくりであるために、症状として現れるのは5年~10年後といわれています。
アルツハイマー型認知症の物忘れの特徴は、エピソードそのものを忘れることです。
たとえば、1時間前に食事をしたことを、忘れてしまします。
また、最近のことは忘れますが、昔のことはよく覚えているというのも特徴の一つです。
アルツハイマー型認知症になると、時間や場所が分からなくなることや、物事を計画して遂行することも困難になります。
アルツハイマー型認知症の診断基準は?
アルツハイマー型認知症の100%の診断をくだすためには、脳細胞をスライスして顕微鏡で見なければなりません。
もちろん、そんな事は生きている人には出来ませんから、MRIや認知機能テスト・知能検査をして診断します。
MRI画像では、脳の委縮(小さくなること)が見られ、特に海馬(かいば)という部分の委縮が強いことが特徴です。
アルツハイマー型認知症の初期の場合には、脳の委縮がはっきりとしません。
その場合には、SPECTやPETという特別なCT検査を受けます。
これらの検査で、脳の血流が良い部分と悪い部分が分かるので、認知症の早期発見に役立ちます。
アルツハイマー型認知症を疑うなら、専門医の診断を受けることが大切です。
なぜなら、早期に発見すれば、進行を遅らせる薬や対処方法をキチンと相談できるからです。