認知症の周辺症状(BPSD)と対処方法
ご家族に認知症の方をお持ちの方、「妄想」や「幻覚」に悩まされていませんか?
それは、周辺症状という認知症の根本的な問題から派生する状態と考えられます。
認知症の周辺症状は、薬や対応によってコントロールできる可能性があります。
今まで悩んでいた介護者の方にとって、認知症の妄想や幻覚がコントロールできるという言葉は心強いですよね。
ここでは、そんな認知症の「周辺症状」についてご説明します。
認知症の周辺症状の原因と具体的な対応の方法
記憶障害・見当識障害による、不安・不穏・徘徊
「朝起きたら(ちょっとウトウトして目覚めたら)、見知らぬ場所だった。」
認知症の方は、このように感じます。
初期の頃は、自宅ならあまり不安にならないかもしれません。
しかし、認知症の方は、今がいつか分からない場合もあります。
そうなると、自分はここで何をしているのか、これからどうなるのかなどと不安が強くなります。
その結果、部屋の中を行ったりきたりする・ソワソワと落ち着かない(不穏)・自宅なのに帰ると言い外に出る(徘徊)などが起こります。
対応は、「ここは○○さんの部屋です」などと書いて張り紙をする・なるべく介護者の見える範囲にいる・「では家に帰りましょう」と言って一緒に散歩する、などです。
視覚・空間認識野の障害・睡眠障害による、幻覚・妄想
脳の働きの中で、目に映った映像を認識する部分に障害が起きると、そこに無いものが見えたりします。
レム睡眠とノンレム睡眠の切り替わりが上手くいかずに、途中覚醒しても同じようなことが起きます。
レビー小体型認知症の特徴とされますが、脳血管型認知症やアルコール型認知症による脳萎縮(脳が小さくなる)の場合にも見られます。
対応は、見えているものを否定せずに、本人がどうしたいかを聞くなどです。
認知症の周辺症状を抑える薬
認知症の周辺症状を抑える薬には、どのようなものがあるのでしょうか?
通常、その症状が強い場合は、抗精神薬・鎮静薬・抗不安薬・睡眠剤・抗てんかん薬などを使用します。
これらの薬は、内服開始→症状の経過観察→内服変更→症状の経過観察を繰り返し、種類や量を調整する必要があります。
認知症の周辺症状は、「非常識に見える言動」で介護を難しくしてしまいます。
ですから、まわりの人が、おかしいと感じた時には、早期発見ができるよう早めに専門医に相談しましょう。