認知症に併発して起こる病気について
認知症に併発して起こる病気には、「高齢者てんかん」や「統合失調症」があります。
一つずつご説明しましょう。
まず、「てんかん」とは、脳の中で過剰な電気信号があちらこちらに出てしまう病気です。
幼少時から発症する場合が多いのですが、治療を続けていると成長するに従い治る場合が多い病気です。
てんかん発作が起こっている時には、意識を失ったり、手足が震えたりする(けいれん)があります。
「統合失調症」は、以前は「精神分裂病」と呼ばれていました。
自分の考えが他人に漏れてしまう、テレパシーで直接命令されるなどの幻覚を伴う病気です。
今回は、認知症に併発して起こる高齢者てんかんや統合失調症についてご説明します。
認知症に併発して起こる「高齢者てんかん」
高齢者に起こるてんかんは、脳梗塞や脳出血の後遺症、またアルツハイマー型認知症と併発して起こります。
高齢者てんかんの症状
- 調子が良い時と悪い時の差が激しい
- 出来事を全て忘れるのではなく、細切れに覚えている
- 意識が遠のく(ボーっとしている)ことが3~5分程度ある
- 身体をゆらゆらさせたり服をいじったりする行動が見られる(自動症)
- 寝ているときにけいれん(手足の振るえ・ピクつき)がある
思い当たるポイントがないかチェックして見て下さい。
認知症に併発して起こる「統合失調症」
総合失調症は、思春期頃に発症することが多い病気ですが、内服治療により症状が改善すると内服をやめてしまう場合もあり、治療が継続できていない人もいます。
このように、若いときに「統合失調症」にかかり、高齢期に認知症を発症した場合には、どちらの病気による「認知機能障害」なのかを診断する必要があります。
てんかんや統合失調症は、「精神科領域の病気」です。
精神科医というと、「心の病気」を診ると思われがちですが、実は、頭の中の病気を診る専門家なのですね。