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前頭側頭型認知症の寿命について

前頭側頭型認知症 寿命

 

前頭側頭型認知症の寿命について気になる方も多い事と思います。

 

ただ、もしかすると寿命云々の前に「前頭側頭型認知症」という病名を、聞きなれないという方は多いのではないでしょうか?

 

ピック病というほうが、少しは知られているかもしれませんね。

 

ピック病と前頭側頭型認知症は、同系列の病気です。

 

どちらも病気の成り立ちや、治療方法ははっきりしていません。

 

前頭側頭型認知症やピック病と診断されたら、寿命はどのくらいなのでしょう?

 

今回は、前頭側頭型認知症の寿命についてお伝えします。

前頭側頭型認知症の寿命はそう短くはない?

では、寿命のお話の前に、前頭側頭型認知症について少しご説明しましょう。

 

認知症となる患者の中に、脳の「前頭葉」と「側頭葉」の萎縮が目立つ症例があります。

 

死後に解剖してみると、脳の細胞内に異常なかたまりが認められました。

 

この病気を発見した医師の名前をとって、「ピック病」と名付けられました。

 

その後、同じように脳の「前頭葉」と「側頭葉」の萎縮がありながら、神経細胞内に形成される「ピック球」が見られないケースが見られました。

 

このことから別の研究者は、前頭側頭型認知症という概念を提唱しました。

 

アルツハイマー型認知症は、脳の海馬という部分が萎縮する脳の細胞の変性疾患です。

 

前頭側頭型認知症は、「前頭葉」と「側頭葉」の萎縮が見られる変性疾患です。

 

そのため、前頭側頭葉変性症(FTLD)ともいわれます。

 

脳の変性疾患の場合、進行がゆっくりのため、寿命もそう短くはないと考えるのが一般的でしょう。

 

前頭側頭葉変性症(FTLD)は、認知症症候群と「失語症候群」に分けられます。

 

認知症症候群に含まれるのが前頭側頭型認知症(FTD)で、その中にピック病(FTD-Pick type)も入ります。

 

失語症候群には、意味性認知症(SD)と進行性非流暢性失語(PNFA)が含まれます。

 

意味性失語症とは、電話を見ても「デンワ」と言えず、電話とも書けません。

 

でも、電話の使い方はわかるという、ちょっと不思議な症状です。

 

進行性非流暢性失語とは、話しづらい、言葉がつっかえるという症状です。

 

異常な行動は見られません。

 

ただし、前頭側頭葉変性症(FTLD)の失語症候群も、進行すると認知症の症状が出てくるケースがあります

 

2015年7月より、前頭側頭型認知症(FTD)と意味性認知症(SD)が、厚生労働省の難病に指定されました。

前頭側頭型認知症の寿命は分かりにくい?

前頭側頭型認知症を発症するのは、64歳以下の人が多く男女比は同じくらいです。

 

寿命は、発症した年齢にもよりますが、2年~15年(平均6年)とされます。

 

発症して2年の寿命というと、とても急激に進行するようにも見えますね。

 

それは、寿命の長さそのものよりも、この病気の診断がつきにくいことにも、関係しているのではないでしょうか。

 

前頭側頭型認知症やピック病は、うつ病や統合失調症と間違われわすい面があります。

 

うつ病や統合失調症の治療をしているうちに、認知症が進んでしまう場合もあるでしょう。

 

そうすると、寿命の長さにもズレが生じてきます。

 

また、うつ病や統合失調症の薬によって、認知症や全身状態が悪化してしまうこともあります。

 

認知症だからとドネペジル塩酸塩(アリセプトなど)を処方されて、悪化してしまったケースもあります。

 

前頭側頭型認知症は、わからないことが多く、診断も難しい認知症なのです。

 

反社会的行為という症状があることから、誤解されることも多く、本人と家族の社会的な立場を悪くしてしまう可能性もあります。

 

今後の基礎研究や大規模研究によって、原因や治療が明らかになることを願ってやみません。

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